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媚薬系の香料の起源とは?

具体的に香料を生成しつつも香水の媚薬みたいな役回りに関して勘づいていった私は、次はそれとは反対に、本元の媚薬に関する魅力を感じてきました。

 

もとより媚薬というものはどういった物なのかが気になり始めたのです。

 

それから、いろいろと閲覧していく間に、古来から今日までほとんど世界各地に媚薬と呼ばれる名称で総称できるみたいなものがあって、昔はたくさんの文化でこれらのものが神聖なものという立場で活用されていたということを気付くに至りました。

 

 

媚薬と言ったら、なぜか淫靡ていうか、秘かに使用するような印象がつきまとうが、媚薬の歴史に注目すると、どうしてそれほどケチなものではありません。

 

元々、多数の古代文明でセックスの快楽というのは恥ずべき事でも隠し立てすることが当然の事でも無くて、逆にこの快楽を徹底的に突き詰めていくという事は神聖な活動なのでした。

 

セックスというのは神との合一の体験だったり、心身の融合といった所で非常に象徴性の高い非現実的活動だったのです。

 

こうした性愛観の典型は古代ヒンドゥー文化によって、ヒンドゥー寺院、とりわけコナラクの太陽神殿とかラクシュマナ寺院で見受けられる色々な交合の彫刻は特に注目度が高いです。

 

神聖な神殿の高塔とか拝殿の伽藍建築には、人とか神、象の形をした神なんかが色々な体位(大半は立位)で交接したり、フェラチオを行う状況が溢れんばかりに肩を並べる彫刻とかレリーフは凄まじく、男女の交合は世界の初めに神々の振舞いの復元という形で神聖視された上で、セックスを完全にすればするほど神に押しせまることにまでなったのです。

 

 

このような因習、性愛観の下であれば、パートナーを歓喜させ、自分自身すら目眩く様なエクスタシーに至ることを狙った媚薬の類が進歩するのはもちろんで、実際ヒンドゥー文化においては多数の媚薬を利用してきた実績があります。

 

このようなケースでは、媚薬というものは惚れ薬、催淫剤、強精剤を筆頭に、感覚を敏感に変えて性感を引き上げたり持続時間を延ばするようなもの、またはインポテンツの治療薬に及ぶまで内包する、とても広範囲な意味合いで受け取られています。

 

こういった数多くの媚薬の英知を有して、状況に応じて必要とされる媚薬を上手に使うという事は、性愛術の大切な一要素でもあったわけです。

 

 

古代文明で存在していた媚薬の原材料を確認してみると興味深いことがわかります。

 

媚薬の製法に利用された原材料として、マンドラゴラ(マンドレーク)とかハンミョウみたいに現在まで広範に媚薬という立場で周知されている類の他には、近年では麻薬と言われているもの、あるいは今日でも生薬という形で薬に活用される植物がありますが、それにプラスして多数の香料植物ないしは動物性香料が含まれているのです。

 

要するに、麻薬も薬も香料までもがそれらの発端は媚薬だと考えられるのじゃないかということです。

 

あるいは媚薬に対してはそれら3つの要素が不可欠になっていたということでしょうか。

 

 

麻薬も薬も、それに媚薬すらも、化学物質により、中枢神経だったら身体組織とか臓器であっても、ともあれ身体の一部に作用し、それに変調を引き起こす部分では一致しています。

 

どれも「薬」の文字が採択されているということからもこれはわかります。

 

単に、目論見が異なるだけのことです。

 

ただの薬が疾患とか内臓の不具合、異常を治癒するという目的で使用されるのに対して、麻薬とか媚薬というのはそれとは違う意図で利用されるシロモノとされています。

 

されている、と記したのは元々これら3つの区分はあやふやであるからです。

 

麻薬の中においては麻酔薬という形で使用したら薬となるシロモノもありますし、伝統のある言葉で言ったら強精剤という立場で媚薬の仲間入りをしてしまうことになっているバイアグラが薬とされたりしており、精密な分類はそうそう簡単なものではありません。

 

 

香料史研究で周知される山田憲太郎によると、現に、古代インドの呪術の書で、紀元前1000年から紀元前600年頃の後期ベーダ期に生まれたと考えられる『アタルバ・ベーダ』の中には、薬物の使い道が以下のごとく区分されているらしいです。

身体的な病気の治療

 

怪異乱神(精神疾患)

 

分娩と小児の成長を手伝うもの

 

怪我の治療

 

蛇毒と他の虫害を防止する(毒薬と解毒剤を含む)

 

延命長寿の秘薬

 

性交を活発化させるもの

 

髪の毛を生えさせて、魔を退け福寿を恵むもの

7はほとんど媚薬と見なされることから、媚薬までもがまぎれもない「薬」の1つとして定義されていたというわけです。

 

 

香料に限っては、薬とちょっと離れているみたいに思えるのですが、アロマテラピーみたいに自然の香料精油を療法に利用するケースもあるし、薬草の大半は香料という形でも利用される植物であって、やっぱり線引きはあやふやです。

 

香料業界に大学の薬学部を出てきた人が多くあることだって薬と香料の近さを感じさせます。

 

 

麻薬と媚薬、それに香料の因縁だって奥深いです。

 

古代インドだと大麻というのは神聖なシロモノと考えられ、大麻の花とか葉を乾燥させて吸い込むガンジャは今の時代にも残っているが、その誕生は、浮気者の旦那シヴァ神の気持ちを自身につなぎ止めておくことを狙って、その奥さんパルヴァディが焚いた大麻の花の香だったと思われている。

 

大麻を焚いた芳香はシヴァ神をとても喜ばせ、さらに香煙を吸引すると高ぶってパルヴァティを宇宙で何よりも魅力的な存在と思うようになって、それから夫婦和合し始めるようになったとされています。

 

現在、麻薬という立場で懸念される大麻だって昔は媚薬という形で神聖なものと考えられていたということは間違いありません。

 

大麻は図らずも香料という形で残らなかったですが、この香しさまで好まれていたということがその神話より窺い知れるわけです。

 

 

他にも、カルダモン、アニス、ヒメ茴香(キャラウェイ)、丁子(クローブ)というような今日でも香辛料という形で利用される植物が、古代インドだと媚薬とか強精剤の処方箋に使用されていましたが、媚薬みたいな効果がある香料としまして頭に入れておいてほしいものは、何をおいても麝香(ムスク)と龍涎香(アンバーグリス)です。

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