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ステロイド類のヒトフェロモンも存在する!

人の場合にも、身体より発せられる何かしらの匂い物質が嗅覚神経系で感じ取れ、この刺激が大脳辺縁系とか大脳半球に伝えられて、そして視床下部―脳下垂体に作用することによってゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)とか黄体形成ホルモン(LH)の産出量とか分泌進度を変容させる内容が考察されます。

 

最低でも匂いがそのプロセスの切っ掛けとなり、入り組んだプロセスを辿って男性女性おのおの異なった手段で性ホルモンに効果を付与し、究極的に生殖活動にまで影響を与える予想は否めません。

 

それならば、これはすでに見事なプライマー・フェロモンという点になるのですが、匂いによりホルモン配分が変動したとすると、本当にこれが人の性行動を対象に確実にどの程度の効力を及ぼしてしまうものであるのかは、実際においては測りようがありません。

 

ホルモンの増減とか内分泌の変容が細部にわたって人の生殖活動にどのような感じで効果を付与し得るものであるのか、ほかの原因を取り払って調査してみることそのものが困難を極めます。

 

動物実験みたいに世間と分離した環境下で人間の生殖活動を観察することは不可能ですし、人のケースでは、セックスについての欲求とか性行動も慣習的はたまた社会的影響下にあることから、人間がある行為をとったとすると、その部分にホルモン分泌の変容がどれぐらい影響を与えたのだろうかを検証するのはかなり困難です。

 

 

かえって、フェロモンというものは身体より放つ匂い、広範囲な意味合いでの体臭の1つですから、体臭出現のシステムとか体臭原料を研究して、その素材を活用して中枢神経系とか自律神経系、内分泌系に及ぼす影響を調査し、何かしらの効果を有する物質を明確にしていくことが、ヒトフェロモン認知の最短ルートとの旨となるでしょう。

 

正直なところ、こうしたアプローチで肉体的または精神的な変容を生じさせる体臭成分だって徐々に明らかにされ始めています。

 

人の腋の下より見つけ出されたアンドロステノールと称される物質だってその1つとされます。

 

 

アンドロステノールと称される単語をかつていずこかで聞き及んだ経験があるのでしょうか。

 

最低でも、アンドロゲンと称される名称は聞き覚えがあるに決まっています。

 

アンドロゲンは男性ホルモンのひとまとめした名前、テストステロンとかアンドロステロンまでその内に含まれます。

 

それら「アンドロ」と頭に背負うものは、どれにしてもギリシア語で「人」とか「男」を表現するandrosより生み出された単語になりますが、紛らわしいことにアンドロステノールというのは男性ホルモンではありません。

 

 

炭素6個が円環状に結び付く六員環が3つと炭素5個の五員環1つが連結された恰好のものをステロイド骨格と呼称します。

 

医薬品ということで名の知れたステロイド剤だってその一種で在って、エストラジオール(卵胞ホルモンの1つ)とかプロゲステロン(黄体ホルモン)というようなホルモン類まで多量に含有されます。

 

ステロン、ステロール、ステノール、ステノンという語尾を有する物質はそのステロイド骨格を保持するものと想定して良く、アンドロステノールすらも合わせてステロイド類の1つとされます。

 

つまり、化学的には似通った機構と特徴を有するのですが、生体内だと各々まるで活動の違う一群の化合物がステロイド類と称されているというわけです。

 

 

人の腋の下からでは、アンドロステノールばかりかアンドロステノンといったものまで見つけられており、こっちもステロイド類です。

 

以前にも説明した通りにアンドロステノールというのはパウダリーなムスキー感を持つ匂いですが、それに対しアンドロステノンはワキガ臭とか尿臭に近いです。

 

匂いが生じるには該当の物質が揮発して鼻孔に到達しないといけません。

 

コレステロールとかテストステロンなんかは大量のステロイドは分子量が多くあることもあり揮発しないで、このせいで普段から匂いは存在しないのですが、その2つは稀に揮発する順に匂うのです。

 

 

匂いというものは奇妙なもので、こういったふうに化学構造が酷似しているステロイド類の内には、匂うものもある一方匂わないものも存在して、仮に匂った場合でも、ごく僅かに構造が違うとまるで異なる匂いに認識されてしまうわけです。

 

 

困り事は、そのアンドロステノールが含まれたアンドロスン類が、本当にプライマー・フェロモンだった物証は発見できるのであろうか、あるいはムスクみたいに媚薬のような効力を保有している、私たちの表現で言うと「エロモン」の原型みたいなものであるのだろうかということなのであります。

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