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動物由来の天然の媚薬があるみたい

野生の動物たちとか家畜という形で飼っている山羊とか羊などといった雌が、発情期になれば変わった臭気を発して、これを嗅ぎつけた雄が高ぶって雌を追いかけ回して交尾に及びます。

 

この様子を古くから人は目の当たりにしてきたに違いないです。

 

フェロモンと呼称される単語が出現する以前から、動物たちの放つ性的誘引力がある臭気の存在には、多数の民族が気付いてきました。

 

 

人間においては最初から発情期というようなものがなくて、年間を通して常に発情可能になった生物とされる。

 

自然とか生体の循環または周期、生殖本能に引っ張られて生殖活動をするのじゃなく、何かしらの誘因とか動機づけにより「欲情」してしまうように変わったのです。

 

それを裏を返せば、人類は本能によりセックスするなんてできず、子孫を保持するには、セックス自体を1つの欲求という形で、常にそれへと誘導するかのようなアレンジをしないとならなくなったというわけです。

 

この動機づけの形で、人類は「快楽」と考えられるものを開発、進歩させてきたといった論議を近頃ではよく聞くほどになりました。

 

もしくは岸田秀に言わせてもらえば、万人は生まれつき不能であって、性行為を達成させることを狙って色々な空想を不可欠としたことになります。

 

 

媚薬といったものだって、ある意味こうした創意工夫の1つ、空想の1つではないでしょうか。

 

単に、通常の心の中の空想とは異なり、まがりなりにも媚薬というのは化学物質により奪われた生殖本能を呼び覚ますと考えることだって可能なのであります。

 

当然、化学物質に頼るしかない部分で、まさしく性本能が崩れた存在だともみられるわけですが、こうした人類が動物たちの生殖活動に影響を及ぼす匂いといった力に着目していったというのは十分に想定できます。

 

 

しかし、動物たちの放つ発情の臭気を実際に媚薬に利用することだって、これはそう容易なことではありません。

 

植物だったら、乾かしたりすり潰して油を確保するなどの手段で香りを収集することだってある程度は行えたでしょうが、例えば発情した雌の山羊を殺めてもこの臭気のもとになり代わるものが採れるわけではないからです。

 

麝香がどういった粗筋で見つけ出されたのかは謎に包まれていますが、動物たちの臭気を香料という形で収集したり活用するというのは全くできなかったに違いありません。

 

動物たちの精気を媚薬の形で取り入れようと試みる時に、この匂いを活用するのじゃなく、睾丸とかペニスというような身体の一部であるのが主流でありました。

 

これに関しては模倣呪術と称されるイメージに近くて、すなわち精気の強靭な生き物の睾丸を摂取すると精がもらえるであろうとという感じの考え方です。

 

 

麝香というのはジャコウジカと呼ばれる小さい鹿の雄を捕まえ、それを殺めて下腹部より香嚢と称される袋状のかたまりを取り出して、中に存在するゼリー状の分泌物を切り取って乾燥させることによって入手できます。

 

その香料を手に入れようとしてジャコウジカを捕らえ、紆余曲折の末やっとこの「匂い袋」見つけ出したのだとすれば、これは全く奇跡に相当するのじゃないでしょうか。

 

数千種類とされる自然の香料の内、今日まで使用されている動物に由来する香料はほんの四種類に過ぎません。

 

麝香と龍涎香、そして霊猫香(シベット)とカストリウムがこれであります。

 

その中で龍涎香というのは動物性天然香料って言われるものの、マッコウクジラの腸内結石の1つと伝えられていて、クジラの肉体に備わった線組織が作り出すものじゃありません。

 

そういうわけでその龍涎香を除くたった3つのみが、直に動物の分泌物が作り出したものより採られた香料という事になります。

 

裏を返せば、芳香とか媚薬の形での香りを期待し、その他にも多数の動物を犠牲として香料と化すといったような線組織を嗅ぎ回ってきたというにも拘らず、ムスクとかシベットに相当するレベルの香りのかたまりはいよいよ見つけられなかったという経緯ではないでしょうか。

 

 

ジャコウジカというのは、そのムスクの香りを実際に雌を魅き集めるために利用しているみたいです。

 

つまりフェロモンの1つというわけではありますが、動物の性フェロモンが全てそのまんま人類にこそ素敵な香りであるかと言えば、本当にそういったことは言えそうにはありません。

 

元来フェロモンは別種の生き物に機能してはいけないもので、さらに魅力的な匂いだという必要すらありません。

 

最低でも、例えばハムスターの膣より放出する性フェロモンの臭気を魅力的な香りと思う人間は存在しません。

 

コウジカのみが特殊なというわけです。

 

どうして、ムスクのみがここまで人類を惹きつけるのでしょうか。

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