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媚薬として利用されてきたムスク!

麝香の歴史とは古くて、古代インド医学「アーユル・ベーダ」の医書にまで薬の1つとして掲載されていて、紀元前数千年もの古くから認知されていたことが想定できます。

 

過去には阿片と麝香を混合したものが強壮剤とか薬品という形で利用されていたらしいです。

 

麝香というのは万能薬として、色々な処方箋に活用されていた。

 

中国でも紀元前に麝香が伝えられたのを指し示す文書が残存しています。

 

元来ジャコウジカが獲れる所はヒマラヤ山脈を軸とした、インド、中国両文化圏にまたがる領域ですから、これらの2つの古代文明に麝香が昔から伝わっていただけに限らないかも知れません。

 

一方、思い掛けないことに、古代ギリシアは当然に、古代ローマ人すら麝香の存在さえ承知していなかったらしいです。

 

香料植物に関して詳細を語っているテオフラストスとかプリニウスにすら、ムスク関連の書き込みは存在しません。

 

高級な香料を惜し気もなしに利用して、色々な香りの絡み合ったローマ皇帝カリグラとかネロの饗宴はポピュラーですが、そこにムスクの香料は漂っていなかったのです。

 

欧州に麝香と呼ばれる香料の存在が智恵という形でもたらされるというのは6世紀ですが、実際の物が認知されることとなるのは12世紀で、アラビアのサラディン王がローマ皇帝宛に贈呈したというのが、文書上で最古のものであるらしいです。

 

 

この欧州においてもルネッサンスを迎え入れる頃になったら、麝香は香料という形でばかりか、医学とか薬学もしくは錬金術とか魔術というような色々な範囲で使われるほどになりました。

 

16世紀、イタリアのG・デッラ・ポルタはその主著『自然魔術』内でペストに効き目がある薬の処方箋に麝香を利用しております。

 

さらに、同じ様に16世紀のフランスに生きていた医者であって占星術師でもあって、何をおいてもその「予言」で著名なノストラダムスまで麝香を利用した秘薬の処方箋を結構な数残して、これは不妊症にだって効き目があると扱っています。

 

加えて、同世紀のフランスで当代ナンバーワンの外科医という立場で名高いアンブロワーズ・パレになったら、受胎を増進することを目的にヴァギナ(膣)に麝香を塗布するのを提唱しているらしいです。

 

こういったものなんかは、その当時は懐妊するのを希望するなら女性が性交の際にオーガズムを感じ取ることが重要と考えていたことを考え合わせると、麝香が女性に快感を引き起こすことを目的に利用されたと考えることだってできます。

 

つまり、麝香の媚薬みたいな効能が、医薬みたいな役割に関係していたということもできるのです。

 

 

日本国内に麝香が伝えられたというのがいつか正確にはわかりませんが、奈良時代、8世紀中頃のつまりは天平文化の開花した時代、正倉院の一覧表に麝香の名称が掲載されていて、平安期になったら上流階級らが頻繁に麝香を使用し始めることになるから、9世紀過ぎたくさんの麝香が輸入されるようになってきたことが考えられる。

 

欧州よりも前もって麝香を取り入れていたわけなのです。

 

仏教学者の関口真大によると、麝香というのは、沈香、龍脳香、そとろか香と合わせて仏教の四天王ならぬ「四大香」の中の1つに挙げられているくらいですので、知識という意味ではずっと以前から認知されていた見込みはあります。

 

 

中国とか日本においては、香しさだって本当に好まれてはいたのだけど、どちらかと言うなら医薬品という形で重宝されたといった感じが強いです。

 

漢方の処方箋として麝香を利用したものは数え切れないほどあるし、現在も日本国内の調剤薬局で見られます。麝香を処方させた「六神丸」といった薬は、動悸、息切れに役立つとされています。

 

 

当然、媚薬の系統に麝香が処方してもらう実例だっていっぱいあります。

 

江戸時代に出回った「女悦奇妙丸」というのは、丁子とか肉桂というような香料という立場で馴染み深いものと麝香が別の漢方薬原料と一緒に混ぜられたもので、性交前には女性の膣に挟むと女性の感覚が増大するらしいです。

 

 

この他だと「女悦丸」、あるいは麝香だけじゃなく阿片とか蟾酥(ヒキガエルなどといった皮脂腺より生成される有毒物)が入った「紅毛長命丸」なんかが見られるのですが、興味をかきたてられることは、通称「惚線香」「紅毛馨香」「女乱香」などといった名称が書物には見受けられるとようです。

 

どれにしても線香の形で火をつけて匂いを発するタイプで、詳細な製法は明白になっていないのですが、「閨中紀聞枕文庫」に中は「嗅て女の心を乱す薬」の呼称の下に製法のようなものが記載されていました。

 

それによりますと、丁子、甘松、白檀、龍脳というような香料の他、麝香が量としてダントツにいっぱい処方されてます。

 

麝香の媚薬の形での一面を意味するいい実例ですが、とりわけこれが薬という立場で内服するのとは別で、香料の形態で嗅ぐのみで効き目があると考えられていることに留意しておいたほうが良いです。

 

 

中国においても、南宋時代に成り立った『香譜』とか、明代末期の『香乗』といった香料のことを書いた文献に「和香法」と称される香料の媚薬みたいな使用法に関する書き込みが見られるということから、そんな中では麝香が大量に取り扱われたという事は十分に推測されることです。

 

 

そうは言っても、麝香を媚薬効果があるものとして珍重して、加えてこの香料を愛でることにより世界中に冠たるとされているのは何をおいてもイスラム文化です。

 

イスラム教の創始者ムハンマドまでムスクの香料を好み、コーランでも麝香の呼称が繰り返し登場して、天国はムスクの匂いがする場所のように考えられた。

 

そしてタウリスのゾバイデ・モスクとカラアメドのモスクを建造する時、モルタルにたくさんの麝香を混合したことから、日光が接触するとムスクが匂い立つことになったといった逸話が残存しているほど、イスラム信者はムスクがお気に入りだからです。

 

イスラム教というのは、キリスト教と比較すると性に対しましてはおおらかであり、快楽を目指したセックスに罪の意識が生じるということはありませんでした。

 

ムスクを大事にし、媚薬を活用する性愛の秘術が進歩したのだってこのためでしょう。

 

 

13世紀のアラビア医学においての薬草の巨匠イブン・アル・バイタールの手となる『薬物書』の中には、「ムスクの含む湿り気というのは、催淫剤の形での特性を有するらしいです。実際、丁子(clove)油にムスクをちょっと混ぜて、ペニスの先っぽに塗って擦ったなら、交接の継続をサポートし、射精の機敏を促す」というような書き込みが見られます。

 

 

女性が麝香を含めた香油を身体に塗り付けたり、口に含んだり、または臍とか膣の内に入れ込んで女体の発する香りを引き立てていたということが、『アラビアン・ナイト』に加えて多数の書物に記載されています。

 

魅力的な女性の叙述に対しては絶対と言っていいほど麝香の香りが感じられるさまが描かれ、眠りについていた女性が身を起こす際に広まる麝香の香りを歌うことによって、女性のアピールポイントを歓喜するのです。

 

 

また、彼らは麝香を摂取しすらしました。

 

アラビア文化圏においては「シャルバート」といった、現在のシャーベットの言葉の由来となった清涼剤があり、この香料にさえ麝香が用いられていたのです。

 

芳香を堪能することだってあるでしょうが、やっぱり麝香の媚薬みたいな効力に期待を抱いて食べたんじゃないでしょうか。

 

麝香の香りがするシャーベットが愛おしく思う人各々が口にすると、これが何とも艶めかしい愛情の前奏曲みたいに感じ取れることだろうといったところは、しっかりと知ることができます。

 

 

薬という形で体に取り込むほどですので、飲んでも毒物ということじゃなく、日本国内には麝香も含めた処方箋で、身体とか口の臭気を良くする薬というのだってありました。

 

香料という形で身に付けて芳香を漂わすばかりか、麝香には体臭自体を芳しくさせる効能も存在するのであって、麝香の媚薬作用を楽しみながら、これを口にすることによって自分の体臭すらも艶なる香りに変えるという部分で、そのムスク・シャーベットは一挙両得、本当に素晴らしいスイーツとの事になります。

 

格段に豪華なスイーツであると思えるのですが、美食家の間にあってもそれを試みたといった意見は耳にしたことがありません。

 

自然の麝香がとんでもないほど高額なものになってしまったからでしょうか。

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